親が入院して2週間。まだベッドから自分で降りられないのに、病院から「そろそろ退院の話を」と切り出された。何をどう聞き返せばいいのか分からないまま、日付だけが決まっていく——そんな場面にいませんか。
福祉の相談屋・社会福祉士のむむぶどうです。
先に結論を書きます。退院日は、病院がその場の気分で決めているのでも、家族の事情だけで決まるのでもありません。入っている病棟ごとに決まっている期限を土台に、そこへ本人の状態と家の準備を重ねて決まります。 だから家族がやることは、病院と交渉することではなく、「今の病棟は何という種類で、いつまでか」を最初に聞いて、その日付から逆算して動くことです。
この記事では、入院期間が短くなった背景を制度の側から説明したうえで、退院までに家族が動く順番を5つのステップに分けて書きます。
私は病院で働いていた頃、退院の相談を受ける側にいました。そのときに何が起きていたかも、あわせて書きます。
今日か明日にやる3つ(5つの順番のうち、最初の3つです)
この記事では5つの順番を書きますが、今日動かせるのは最初の3つです。ここだけ読んで動いても間に合います。(詳しい聞き方は後半のStep1〜3に書きました)
1. 「今の病棟は何という種類か」「いつまでか」「次はどこか」を、医療ソーシャルワーカー(MSW)に聞く
2. 介護保険の申請、または区分変更の申請を出す(入院中でも出せます)
3. 担当のケアマネジャーを決める。すでにいるなら「入院しました」と一報を入れる
この3つが動いていれば、退院日が急に決まっても、手すりやベッドの手配に取りかかれる状態を作れます。
すでに退院日を告げられている方も、今日からで間に合います。 介護保険は申請日にさかのぼって使えますし、手すりのレンタルは数日で入ることもあります。まず1つ目から動いてください。
なぜ「まだ歩けないのに」退院の話が出るのですか?
家族から実際に言われる言葉は、だいたい2つです。
「まだ歩けないのに」
「もう退院なんですか」
どちらも、私が病院で働いていた頃に何度も言われました。責める言い方ではなく、事実として困っている言い方でした。
数字で見ると、入院期間はどのくらい短くなったのか
まず統計から見ます。厚生労働省の患者調査によると、病院を退院した人の平均在院日数は、平成17年の39.2日から令和5年には29.3日になっています。20年足らずで、およそ10日短くなった計算です。
さらに、令和5年9月に病院を退院した人のうち、在院期間が「0〜14日」だった人が68.4%を占めています。およそ7割の人が、2週間以内に退院しているという数字です。
(出典:厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況」)
私の体感と、統計は別ものとして読んでください
ここから先は統計ではなく、私が現場で受けている体感です。数字と混ぜずに読んでください。
前は2〜3か月は普通に入れたのに、最近は入院したらすぐ退院についての話も出る。
「入院したらすぐ」というのは大げさに聞こえるかもしれませんが、実際に入院当日や翌日に、退院後の生活について家族へ確認が入ることがあります。家族からすると「まだ点滴もつながっているのに」となります。当然の反応だと思いませんか。
ただ、この早さには理由があります。
入院期間は、誰がどうやって決めているのですか?
入院期間は、病院がその場の裁量で決めているわけではありません。 入る病棟の種類ごとに、制度の側で日数の区切りが決まっています。
はじめに1つ。いま親御さんが入っているのが、手術や急な発症の直後に入る「急性期」の病棟なら、下に書く日数の表はまだ当てはまりません。 急性期の病棟は別のしくみで動いていて、そこから回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟へ移った時点で、下の日数の話に入ります。「今の病棟は何という種類の病棟ですか」から聞いてください。 ここを取り違えると、逆算の起点がずれます。
回復期リハビリテーション病棟は、状態ごとに日数が決まっている
骨折や脳卒中のあとにリハビリを集中して行う「回復期リハビリテーション病棟」には、状態ごとに算定上限日数という区切りがあります。厚生労働省の告示「基本診療料の施設基準等」の別表第九に書かれているものです。
病院から日数を言われている方は、その数字の行だけ見てください。
- 180日……高次脳機能障害を伴う重症の脳血管障害、重度の頸髄損傷、頭部外傷を含む多部位外傷
- 150日……脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷などの発症後・手術後
- 90日……大腿骨・骨盤・脊椎・股関節・膝関節の骨折や多発骨折/治療中の安静による廃用症候群/股関節・膝関節の置換術後/心筋梗塞などの心大血管疾患
- 60日……大腿骨・骨盤・脊椎・股関節・膝関節の神経・筋・靱帯損傷後
自分の家族がどれに当たるかは、MSWに聞けばその場で分かります。
(この別表は令和8年厚生労働省告示第70号で全部改正されたもので、令和8年6月1日から適用されています)
なお、この日数をいつから数え始めるかは、病棟の種類によって扱いが違います。「この日数は、いつから数えていますか」も、あわせてMSWに聞いてください。 ここを取り違えると、逆算の起点が丸ごとずれます。
大腿骨を折った親のリハビリが「90日」で区切られる。これは担当者の判断ではなく、この表のどの行に当たるかで決まっているという話です。
地域包括ケア病棟は60日
急性期の治療が終わったあと、在宅復帰の準備をする「地域包括ケア病棟」も同じです。診療報酬の点数表(医科診療報酬点数表A308-3)には、「当該病棟又は病室に入院した日から起算して60日を限度として」算定すると書かれています。
同じ告示の中で、点数は「40日以内の期間」と「41日以上の期間」に分かれています。入院が長くなるほど、1日あたりの評価は下がる設計です。病院の姿勢の話ではなく、点数表にそう書いてあります。
つまり60日という期限は、入った日から見えています。家族に知らされていないだけです。
ただしこれは「その日に病院を出される」という意味ではありません。あくまで入院料の算定期間の区切りです。実際の扱いは病院によって違うので、そこはMSWに聞いてください(→ Q1)。
つまり「追い出し」ではなく、期限つきのバトンです
ここまでを、私が病院で家族に説明していた言い方に戻します。
無闇に退院させることはない。(※少なくとも、私が働いていた病院ではそうでした)
やっていたことは、ルールの中で入院期限を守ったうえで、それまでにリハビリでどのくらいまでADLを上げられるかを検討することです。ADLというのは、食事・トイレ・入浴・着替え・移動といった、毎日の生活に必要な動作のことを指します。「歩けるようになったか」だけではなく、「手すりがあればトイレまで行けるか」「ベッドから車いすに自分で移れるか」を1つずつ見ていきます。
そのうえで、退院後でも生活のイメージがつきやすいように、ケアマネジャーや介護事業所と連携して、スムーズにバトンタッチできるようにする。これが、私のいた病院で組んでいた段取りです。
この段取りは数字にも出ています。令和5年9月に退院した人の行き先は、81.5%が「家庭」でした。入院前が家庭だった人にしぼると88.5%です(同・患者調査)。
しくみの側から見ても同じです。地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟には、退院した人がどれだけ家に帰ったかを示す割合(在宅復帰率)が、施設基準の中に組み込まれています。 家に帰ることは、病棟のしくみの中に最初から入っています。
問題は、この設計が家族には説明されないまま、日付だけが先に決まっていくことだと思いませんか。だから家族の側から、日付を取りに行く必要があります。
退院までに家族がやることを、順番に教えてください
5ステップに分けます。この順番だと手戻りが少ないです。すでに動かした項目があれば、そこは飛ばして構いません。
Step1|「いつまで」と「次はどこか」を、MSWに聞く
まず日付を確定させます。聞く相手は、医療ソーシャルワーカー(MSW)や退院支援を担当する看護師です。病院によって「地域連携室」「入退院支援室」「医療福祉相談室」など名前が違います。総合受付で「入退院の相談をしたい」と言えば、その病院の担当者につながります。
聞くのはこの3つです。
1. 今の病棟は何という種類の病棟で、いられる目安はいつまでですか
2. 次に移る候補は、どこですか(回復期リハビリテーション病棟/地域包括ケア病棟/自宅)
3. 本人の状態は、回復期リハビリテーション病棟の対象になりますか
4. その次の場所には、どのくらいの期間いられますか
日付を1つ手に入れると、あとの段取りは全部そこからの逆算になります。
Step2|介護保険の入口を開ける(申請、または区分変更)
※Step2とStep3は、どちらが先でもかまいません。同時に動かして大丈夫です。申請そのものを地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に代行してもらう場合は、Step3が先になります。
日付が見えたら、すぐ介護保険です。ここは待っていても向こうから始まりません。
まだ認定を受けていない場合
- 市町村の介護保険担当窓口に要介護認定を申請します
- 本人が65歳以上なら、原因を問わず申請できます。40〜64歳の場合は、国が定めた特定疾病(16種類)に該当するときに申請できるしくみです。当てはまるかどうかは、市町村の介護保険担当窓口か、病院のMSWに確認してください。
- 入院中でも申請できます。手続きは、指定居宅介護支援事業者や地域包括支援センターに代わって行ってもらうこともできます(介護保険法第27条第1項)
- 申請から30日以内に結果を出すのが原則です。ただし心身の状況の調査に日時を要するなど特別な理由がある場合は、期間と理由を通知したうえで延期されることがあります(同法第27条第11項)
すでに認定があって、入院で状態が変わった場合
- 要介護状態区分の変更(区分変更)を申請します(同法第29条第1項)
- 骨折や脳卒中の前と後では、必要な介護量がまったく違うことがあります。前の区分のままだと、必要なサービスが限度額に収まらない場合があります
- ただし区分変更は、今より重くなることも、軽くなることもあります。 また入院中の調査は病棟での様子をもとに行われるため、家に帰ってからの状態とずれることがあります。「今出すか、退院後に出すか」は、担当のケアマネジャーと市町村の窓口に相談して決めてください。
ここが、実務でいちばん効く条文です。
要介護認定は、その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる。(介護保険法第27条第8項)
つまり、結果が出るのを待ってからサービスを組み始める必要はありません。 申請さえ出しておけば、暫定のケアプランで退院日からサービスを使い始める組み方ができます。認定結果が退院日に間に合わなくても、詰みではないということです。
ただし、暫定で組むときに1つだけ知っておいてほしいことがあります。暫定のケアプランは、「これくらいの区分が出るだろう」という見込みで組みます。 出た結果が見込みより軽かった場合や非該当だった場合、区分支給限度基準額を超えた分は自己負担になります。だからこそ、どのくらいの量なら安全に組めるかを、担当のケアマネジャーと最初に確認してください。
具体的な組み方は市町村やケアマネジャーによって手順が違います。「認定が間に合わない見込みだが、暫定で組めるか」と、ケアマネジャーと市町村の窓口の両方に確認してください。
Step3|担当のケアマネジャーを決める(もういるなら、入院を知らせる)
介護保険の申請と並行して、在宅側の司令塔を決めます。
まだいない場合は、地域包括支援センターか、MSWに相談してください。要介護と見込まれるか、要支援と見込まれるかで担当する事業所が変わるので、そこも含めて聞くのがいちばん早いです。
すでに担当ケアマネジャーがいる場合は、入院したその日に一報を入れてください。 気づかいの問題ではありません。制度がそう組まれています。
介護報酬には、次の加算があります(指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準)。
- 入院時情報連携加算……利用者が入院するにあたって、ケアマネジャーが病院の職員に本人の心身の状況や生活環境の情報を提供した場合の加算
- 退院・退所加算……退院にあたって、ケアマネジャーが病院の職員と面談し、必要な情報の提供を受けたうえで居宅サービス計画を作り、サービスの利用調整を行った場合の加算
ケアマネジャーが病院と行き来することは、制度の中に位置づけられた仕事です。 「入院中に連絡したら迷惑では」と遠慮する必要はありません。一報が早いほど、病院側は「家ではどう暮らしていた人か」を早く知ることができます。
入院中に本人の生活機能が落ちていくことと、それを病院にどう伝えるかは、別の記事にまとめました。あわせて読んでください。
Step4|暮らしの場を「条件」で決める
「家に帰すか、施設か」で止まる家族は多いです。止まる理由は、選択肢が多いからではなく、条件が言葉になっていないからだと思います。
決める前に、まず0番を書いてください。
0. 本人は、どこで暮らしたいと言っているか(言えない状態なら、入院前に何と言っていたか。「最期は家がいい」と言っていたか、「迷惑をかけたくない」と言っていたか)
そのうえで、この5つを紙に書き出してください。
1. 誰が、週に何回、どのくらいの時間、本人のところに行けるか(名前と曜日まで書く)
2. 夜間に何かあったとき、誰が対応するか(同居していない場合は、駆けつけに何分かかるか)
3. トイレまでの動線に、段差と手すりがあるか(寝室からトイレまで何歩か、実際に歩いて数える)
4. 食事をどう用意するか(誰が作るか、配食を使うか、飲み込みに制限があるか)
5. 1か月に出せる上限額はいくらか(年金額と、そこから出せる額)
0番と1〜5がぶつかったとき、それは家族が冷たいのではなく、条件が足りていないだけです。足りない条件はサービスで埋められることがあります。ケアマネジャーに0番と1〜5をそのまま見せてください。
住宅改修を考えている場合は、もう1つだけ。手すりの取り付けや段差の解消は、工事の前に申請するのが原則です。着工してから相談すると扱いが変わることがあるので、動かす前にケアマネジャーへ伝えてください。
この5つが埋まると、家か施設かは自然に決まります。
先に書いたとおり、退院後の行き先は、全年齢・全疾患を合わせた統計で8割が家庭です。高齢の方だけを取り出した数字ではありませんが、「家に帰る」がまず基本線にあると知っておくと、話の出発点が変わります。そのうえで難しいと判断したなら、それは逃げではありません。
Step5|退院前カンファレンスで聞くことを、紙に書いて持って行く
退院前に、病院の医師・看護師・リハビリの担当者・MSW、それに在宅側のケアマネジャーやサービス事業者が集まって話す場が設けられることがあります。退院前カンファレンスと呼ばれます。病院によっては「退院時カンファレンス」「退院支援会議」という名前です。
ただし、開かれるかどうか・家族が同席できるかは、病院の体制や本人の状態によって違います。 Step1でMSWに会うときに、「退院前カンファレンスはありますか。家族も同席できますか」まで一緒に聞いておいてください。
この場は、家族が質問していい場です。ただし時間は限られます。その場で思い出そうとすると、だいたい半分しか聞けません。紙に書いて持って行ってください。
全部聞けなくて大丈夫です。時間が短ければ、1・6・7の3つだけ聞いてください。
聞くこと(そのまま印刷して持って行ってください)
1. 今、自分でできることと、できないことを1つずつ教えてください(食事・トイレ・入浴・着替え・移動)
2. 見守りが必要なのは、1日のうちどの時間帯ですか
3. 家で起きやすいことは何ですか(転倒・むせ込み・床ずれなど)
4. 薬は誰が管理しますか。飲み忘れたときはどうしますか
5. 次の通院はいつで、誰がどうやって連れて行きますか
6. 具合が悪くなったとき、夜間や休日はどこに連絡しますか
7. 退院日に、家に何が届いていますか(介護ベッド・手すり・車いす・ポータブルトイレ)
※ベッド(特殊寝台)や車いすは、要介護度によって借りられるかどうかが変わります(軽度と判定された場合は別の扱いになります)。ポータブルトイレは借りるのではなく購入の扱いで、支払い方法も自治体によって違います。「うちの親の区分で何が借りられて、いつ届くか」は、ケアマネジャーか福祉用具の事業所に必ず確認してください。
家族の側から伝えること
- 間取りと段差(写真を撮って見せるのがいちばん早いです)
- 同居している人の勤務時間
- 本人が入院前にできていたこと(毎朝の散歩、風呂の入り方など)
「家ではこうなる」を知っているのは家族だけです。 ここを伝えないと、病院側は一般的な想定でしか計画を立てられません。
よくある質問
Q1. 上限日数を過ぎたら、その日に病院を出されるのですか?
上限日数は「その病棟の入院料を算定できる期間」の区切りです。 実際にどうなるかは、病院の病棟構成や本人の状態によって扱いが変わります。
「上限日数を過ぎた場合、この病院ではどうなりますか」と、MSWに直接聞いてください。 ここは記事で一般化できる部分ではなく、病院ごとに答えが違うところです。
Q2. 「リハビリをもっと続けたい」と言えば、延ばしてもらえますか?
延長できるかどうかを、家族の希望だけで決めることはできません。ただ、伝えること自体には意味があります。
伝え方を変えると、話が動くことがあります。「もっと入院させてほしい」ではなく、「家に帰るには、トイレまで自分で行けることが必要です。そこまであとどのくらいかかりますか」と、目標の形で聞いてみてください。病院側は、期限の中でどこまでADLを上げられるかを検討しています。目標を共有できると、そのゴール設定に家族の事情が入ります。
Q3. 「家では無理です」と言ったら、どうなりますか?
MSWは、施設の入所申込みや、他の病棟・他の病院への転院も含めて相談に乗る立場の人です。「無理です」と言われたところで話が終わる、という前提では動いていません。ただ、実際にどこまで一緒に探してもらえるかは病院の体制によって違うので、そこはMSWに直接聞いてください。
ただし、「無理です」だけでは話が進みません。 「何が無理か」を1つでも具体にしてください。「夜が無理」「入浴が無理」「日中誰もいないのが無理」。ここまで言えると、その1点を埋めるサービスの話に変わります。
Q4. 介護保険の認定結果が、退院日に間に合いそうにありません
間に合わなくても詰みではありません。認定は申請日にさかのぼって効力を生じるので、暫定の計画でサービスを使い始める組み方があります(→ Step2)。
ただし暫定の計画は見込みで組むため、出た結果が見込みより軽かったときは、限度額を超えた分が自己負担になります。
手順は市町村で違います。ケアマネジャーと市町村窓口の両方に「暫定で組みたい」と伝えてください。
Q5. 転院すると、また一からやり直しですか?
転院先には、これまでの経過が診療情報として引き継がれます。家族の側でも、引き継ぎを助けることができます。
- 入院前にできていたこと・使っていた介護サービスをメモにまとめておく
- ケアマネジャーがいるなら、転院先にも連絡が行くようにお願いしておく
メモは1枚で十分です。 「入院前は杖で近所まで歩けた」「デイサービスに週2回」——この2行があるだけで、転院先の目標設定が変わります。
Q6. そもそも誰に相談すればいいのか分かりません
入院中はMSW、退院後はケアマネジャー、介護保険の入口は市町村の介護保険担当窓口か地域包括支援センター。この3つを覚えておけば、たいてい正しい人につながります。
どこに聞けばいいか分からないときは、市町村の高齢者福祉の窓口に電話して「入院中の親の退院後のことで相談したい」と言ってください。 そこから地域包括支援センターにつないでもらえることが多いです。
Q7. 家に帰ったら、月にいくらかかりますか
使うサービスと要介護度で変わるので、記事では金額を出せません。ただ、見積もりは退院前に出してもらえます。
ケアマネジャーに「暫定でいいので、1か月の自己負担の目安を出してください」と頼んでください。数字が出れば、家族の話し合いは「冷たい/無責任」ではなく「この額をどう分けるか」に変わります。
負担が重いときの仕組み(高額介護サービス費など)についても、そのときに市町村窓口に確認を。
まとめ|家族が持ち帰る1文
退院日は、病院がその場の気分で決めているのでも、家族の事情だけで決まるのでもありません。入っている病棟ごとに決まっている期限を土台に、そこへ本人の状態と家の準備を重ねて決まります。だから家族は「今の病棟は何という種類で、いつまでか」を先に聞いて、その日付から逆算して動く。
もう一度、順番だけ置いておきます。
1. MSWに「今の病棟は何という種類か」「いつまでか」「次はどこか」を聞く
2. 介護保険を申請する(または区分変更)
3. ケアマネジャーを決める/入院を知らせる
4. 暮らしの場を、本人の意向と5つの条件で決める
5. 退院前カンファレンスで聞くことを紙に書いて持って行く
「まだ歩けないのに」と思う気持ちは、まったく自然なものだと思います。そのうえで、病院の中で起きていることは、期限の中でどこまでADLを上げられるかの検討と、在宅側へのバトンタッチの準備です。
バトンを受け取る側の準備は、家族にしかできません。日付を聞くところから始めてみませんか。
出典
- 厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況」(令和6年12月20日公表)
(概況PDF:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/23/dl/kanjya.pdf )
※病院の平均在院日数29.3日、平成17年39.2日、在院期間0〜14日が68.4%、退院後の行き先「家庭」81.5%
- 厚生労働省「基本診療料の施設基準等」(平成20年3月5日厚生労働省告示第62号)別表第九「回復期リハビリテーションを要する状態及び算定上限日数」
※令和8年厚生労働省告示第70号により全部改正。令和8年6月1日から適用(告示原本:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001675854.pdf /別表第九は同PDF 345ページ)
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法」(平成20年3月5日厚生労働省告示第59号)別表第一 医科診療報酬点数表 A308-3 地域包括ケア病棟入院料
※令和8年厚生労働省告示第69号により改正。令和8年6月1日から適用(告示原本:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001665291.pdf )
- 介護保険法(平成9年法律第123号)第27条・第29条
- 厚生労働省「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年2月10日厚生省告示第20号)入院時情報連携加算・退院・退所加算
※この記事は制度の一般的な説明です。個別の入院期間・退院時期・サービスの利用可否は、病状や地域によって異なります。必ず担当の医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、お住まいの市町村の窓口にご確認ください。


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