ケアマネさんから「デイサービスを使いましょう」と言われて、候補を2〜3か所もらいパンフレットを並べてみると、書いてあることはどこも似ていて、違いが分からない。それで結局「じゃあ、家から一番近いところで」と答えてしまう。
結論から書きます。デイサービスには、はっきりした違いがあります。そして、ケアマネが事業所にいつも聞いている質問は、ご家族が見学や電話でそのまま使える内容です。専門知識はいりません。聞くことは4つに絞れます。
私は社会福祉士として福祉の現場に20年、現役のケアマネジャーとしてご家族にデイサービスを紹介する側の仕事をしています。デイでは生活相談員と介護職を兼務し、送迎も入浴の介助も経験しました。紹介する側と受け入れる側、両方から見てきたことをもとに書きます。
見学で何を聞けばいいのか?(4つの質問の全体像)
メモに写して、そのまま見学に持っていってください。
1. 定員は何人ですか?(規模感)
2. 半日だけの利用はできますか?その場合、送迎はどうなりますか?(時間の融通と送迎)
3. お風呂は何時ごろ、どんな浴室で入りますか?歩けない人はどう入りますか?(入浴)
4. 食事はどこで作っていますか?糖尿病食や刻み食には対応できますか?(食事)
この4つは、ケアマネが事業所の営業担当と話すときに聞いている内容とほぼ同じです。逆に言えば、この4つを聞かずに決めると、専門職が事前に潰しているリスクを潰さないまま通い始めることになります。
この記事の要点
条件(規模・時間・入浴・食事)は家族でも聞けば潰せる。潰せないのは相性だけ。だから体験利用がある。
なぜ家族には「デイの違い」が分からないのか?
「どこも同じでしょう」と思っている家族は、実はあまりいません。多くの人が言うのは「違いがあるのは分かるけれど、その違いを知る手段がない」です。これは正しい認識で、原因は情報の持ち方の差にあります。
ケアマネは4つのルートで情報を集めている
ケアマネが地域のデイサービスの特色を把握しているのは、記憶力がいいからではありません。日々の仕事のなかに、情報が入ってくるルートがあるからです。
- 長年の付き合いがある事業所から。何年も利用者を紹介していれば、どんな人が合ってどんな人が続かなかったか、こちらに蓄積が残ります。
- 地域包括支援センターに聞く。地域の事業所を横断的に見ている立場なので、単独の事業所より視野が広い。
- 営業に来られたときに、こちらから特徴を質問する。パンフレットの説明を受け身で聞くだけでは差が見えないので、聞きたいことを能動的に聞きます。この記事の4つの質問は、まさにここで聞いている内容です。
- きっかけがあれば直接お邪魔して、雰囲気を感じる。書面では分からない部分は、行かないと分かりません。
家族の側にこの4ルートはありません。だから違いが見えないのは、情報を取りにいく機会の差であって、家族の勉強不足ではないということです。
だから「他の候補も教えて」と言っていい
ケアマネは手元に情報を持っています。ですから、遠慮せずに「他の候補も教えてください」と言ってかまいません。
候補が2か所しか出てこなかったとしても、それは「その2か所しかない」という意味ではなく、「今回の状況からこの2か所を選んだ」という意味です。判断の材料を増やしたいなら、そう伝えれば追加の情報は出てきます。
なお、担当ケアマネとの関係そのものに引っかかりがある場合は、事業所選び以前の話になります。その場合はケアマネの選び方・変え方も参考にしてください。
質問1「定員は何人ですか?」|規模を聞くと何が分かる?
最初に聞くのは規模です。パンフレットに定員が小さく書いてあることもありますが、口で聞いたほうが早いです。
なぜ規模を聞くのか
規模には「正解」がなく、人によって正解が逆になるからです。
こじんまりした場所のほうが落ち着く人がいます。人数が少なければ職員も顔と名前を覚えやすいし、席の顔ぶれも安定する。一方で、ワイワイした場所のほうが元気が出る人もいます。人数が多ければ活動の種類が増え、誰かとは話が合う確率も上がるからです。
つまり規模を聞く目的は「大きいほうがいい事業所か」を判定することではありません。本人の性格を思い出しながら、その規模の空気に本人を置けるかを想像するためです。
制度上の区分も知っておくと探しやすい
規模には制度上の線引きがあり、これを知っていると探すときの手がかりになります。
- 通所介護(デイサービス)は、利用定員19人以上の事業所です。
- 利用定員が19人未満のものは「地域密着型通所介護」にあたるものが中心です(このほか認知症対応型通所介護などもあります)。
- 介護報酬の区分としては、通所介護は通常規模型・大規模型(Ⅰ)・大規模型(Ⅱ)に分かれます。ただしこの区分は定員では決まりません。前年度の「1か月あたりの平均利用延べ人員数」で決まります(750人以内=通常規模型/750人超900人以内=大規模型Ⅰ/900人超=大規模型Ⅱ)。定員が同じでも、実際の稼働によって区分は変わります。
ここから実用的な結論が1つ出ます。「少人数のところがいい」と考えているなら、探すサービス名そのものが変わる可能性があるということです。ケアマネに「地域密着型通所介護も候補に入りますか」と聞いてみてください。
ただし、先に知っておくべき制約が1つあります。地域密着型のサービスは、原則として、その事業所がある市区町村に住民票がある人しか利用できません。隣町に評判のいい小規模なデイを見つけても、住んでいる市町村が違えば原則として使えない、ということです。事業所がある市町村の同意があれば例外的に使える場合もありますが、手続きに時間がかかり、認められないこともあります。
つまり「少人数がいい」で探すなら、まずお住まいの市区町村の中にある地域密着型通所介護から見るのが近道です。運用は自治体によって違うので、ケアマネか市区町村の窓口で確認してください。
返ってきた答えの読み方
- 定員が20人台〜30人台と答えられた → にぎやかさを求める人向き。ただし1日の実際の利用者数も聞く(定員と実人数はずれます)
- 定員18人以下と答えられた → 静かな環境を求める人向き。ただし活動の種類が少なくないかを合わせて聞く。また、この規模は「地域密着型通所介護」にあたることが多く、その場合は原則お住まいの市区町村の事業所に限られます
- どちらの答えでも → 「その日、職員は何人いますか」まで聞くと密度が見えます
質問2「半日だけの利用はできますか?」|時間と送迎はなぜセットで聞くのか
2つめは時間です。ここは見落とされやすいのに、通い始めの離脱に直結します。
なぜ時間の融通を聞くのか
慣れないあいだは早めに帰りたい人が、確実にいるからです。
初めての場所で、知らない人が20人いて、朝から夕方まで過ごす。これを1日目からこなせる人もいますが、しんどい人もいます。しんどい側の人にフルタイムを当ててしまうと、「もう行きたくない」になりやすい。だから最初から短時間で始められるかどうかを、事前に確認しておきます。
制度の側にも短時間の枠は用意されています。通所介護の介護報酬は所要時間の区分ごとに設定されており、いちばん短い基本区分は「3時間以上4時間未満」。そこから1時間刻みで「8時間以上9時間未満」まで6区分あります(令和6年度介護報酬改定時点)。
なお、心身の状況などでやむを得ず長時間の利用が難しい人に限り、2時間以上3時間未満というさらに短い枠で利用できる場合もあります。誰でも選べる区分ではないので、「うちの場合は当てはまりますか」とケアマネに確認してください。
ただし、制度に区分があることと、その事業所が実際にその時間で受けてくれることは別です。だから聞く必要があります。
送迎は時間とセットで聞く
半日で帰れるかどうかは、送迎が動くかどうかで決まります。
デイサービスの送迎は、複数の利用者をまとめて回ります。だから「昼で帰りたい」と言っても、車が動く時間帯と合わなければ実現しません。家族が毎回迎えに行けるなら別ですが、それが続けられる家庭は多くありません。
しかも費用の面でも送迎は無関係ではありません。通所介護の利用者負担には送迎にかかる費用も含まれています。介護報酬の算定構造には、送迎を行わない場合の減算(片道につきマイナス47単位)も設けられています。つまり送迎は「おまけ」ではなく、サービスの中身の一部だということです。
なお「行きは事業所の車、帰りは家族が迎えに行く」という形にすると、その片道分が減算になります。ただし下がるのは1割負担で片道あたり数円ほどで、家計に効く差ではありません。送迎を家族が担うかどうかは、金額ではなく「毎回続けられるか」で決めてください。
そのまま使える聞き方
- 「半日だけの利用に対応できますか。できる場合、いちばん短い時間はどれくらいですか」
- 「その場合、帰りの送迎は出せますか。何時ごろになりますか」
- 「慣れてきたら時間を延ばす、という形にできますか」
- 「通い始めの数回だけ短時間、というやり方の実績はありますか」
3つめと4つめが通れば、「短く始めて様子を見る」という進め方が取れます。
質問3「お風呂はいつ、どこで入りますか?」|入浴はなぜ3点に分けるのか
3つめは入浴です。デイサービスを使う理由が入浴であるご家庭は少なくありません。それだけに、ここを曖昧にしたまま決めると効果が出ません。
入浴は「入れます/入れません」だけでは足りません。3つに分解して聞きます。
(1) 時間帯|午前か午後か、自由に入れるのか
朝いちばんに入る事業所と、午後に入る事業所があります。そして「その日の好きなタイミングで入れる」という運用のところもあります。
これが判断に効くのは、生活リズムがある人の場合です。午後は眠くなる人、朝は血圧が上がりきらない人、家では夜に入る習慣だった人。本人の普段のリズムと入浴時間帯が合っていないと、「行くと疲れる」という結果になりがちです。
(2) 浴室のタイプ|個室浴か、大浴場タイプか
浴室の形は事業所によって大きく違います。個別に入る形の浴室もあれば、複数人が同時に入る大浴場タイプもあります。
ここは本人の感覚が大きく分かれます。人前で脱ぐことに強い抵抗がある人は、大浴場タイプだと入浴自体を拒むようになる。逆に「大きいお風呂が気持ちいい」と喜ぶ人もいます。どちらが良いかではなく、本人がどちらなら入るかで選ぶ。
(3) 歩けない人の入浴|設備と方法があるか
自分で歩いて浴室に入れない場合、対応できるかどうかは事業所によって違います。リフトなどの設備があるか、車いすのまま入れる浴室があるか、寝たままの入浴に対応できるか。ここは設備の話なので、「がんばります」では解決しません。
現在は歩けている場合でも、聞いておく価値があります。今後、歩行が難しくなったときに同じ事業所で入浴を続けられるかどうかが、ここで分かるからです。通い慣れた場所を変えずに済むのは、本人にとって大きい。
そのまま使える聞き方
- 「入浴は何時ごろですか。時間は選べますか」
- 「浴室は個別に入る形ですか、それとも複数人で入る形ですか」
- 「歩いて浴室に入れない場合、どんな方法になりますか」
- 「入浴を希望する日は毎回入れますか。週何回までですか」
なお入浴の体制には介護報酬上の加算(入浴介助加算のⅠとⅡ)があり、事業所によって届け出ている内容が違います。自己負担額にも関わるので、金額面が気になる場合はケアマネに確認してください。
質問4「食事はどこで作っていますか?」|味と対応、どちらも聞くべき?
4つめは食事です。「そんなことまで聞くのか」と思われるかもしれませんが、ここは通い続けられるかどうかに直結します。
調理方法を聞く|湯煎か、その場で調理か
外部から届いた料理を湯煎で温めて出す事業所と、施設内の厨房でその場で調理する事業所があります。どちらにも事情があり、湯煎だから手抜きという単純な話ではありません。ただ、出てくるものの質は変わります。
そして、ある意味当たり前のことですが——美味しいかどうかは、かなり重要です。
週に2回通えば、そこで食べる昼食は年間で100食近くになります。それが楽しみになるか、我慢になるか。通うことの意味そのものが変わります。食事を楽しみに通う人は少なくありません。
対応食を聞く|糖尿病食と刻み食
味とは別に、対応できる食事の種類も聞きます。ここは具体的に2つです。
- 糖尿病食の用意があるか。持病があって食事の管理が必要な人には必須の確認です。
- 刻み食に対応できるか。飲み込みや噛む力が落ちてきている人は、ここが通るかどうかで利用の可否が変わります。
とろみをつける対応、アレルギーへの対応も同じ枠の質問です。ここは「たぶん大丈夫」で進めてはいけない項目です。通い始めてから対応できないと分かると、そのまま利用終了になりかねません。
そのまま使える聞き方
- 「食事は施設内で調理していますか。それとも外部から届きますか」
- 「糖尿病食は用意できますか」
- 「刻み食やとろみへの対応はできますか」
- 「献立表を見せてもらえますか」
- 「食費は1食いくらですか」
最後の質問を入れているのは、食費が介護保険の対象外で自己負担になるからです。厚生労働省の説明でも、日常生活費(食費・おむつ代など)は別途負担が必要とされています。月の負担額を計算するときは、ここを忘れないでください。
4つの答えが出そろったら、どう決める?
質問リストの答えがそろっても、全部が満点の事業所は普通ありません。だから優先順位をつけます。
ステップ1|「これがないと利用できない」条件を先に潰す
まず、満たされないと通えない条件を分けます。
- 歩けない人の入浴に対応できるか
- 糖尿病食や刻み食に対応できるか
- 送迎がその時間に動くか
ここは好みではなく可否の話です。1つでも欠けたら、原則その事業所は候補から外れます。ただし「今は出していないが対応はできる」という余地がある場合もあるので、外す前に一度ケアマネに投げ返してください。
ステップ2|「合わないと続かない」条件で絞る
次が、本人の性格や習慣に関わる部分です。
- 規模(静かな場所か、にぎやかな場所か)
- 入浴の時間帯と浴室のタイプ
- 食事の内容
ここは本人のこれまでの生活を思い出して判断します。
- 大勢の集まりが好きだったか
- 人前で着替えることを気にする人だったか
- 食べることが楽しみな人だったか
判断材料は本人の過去にあります。
ステップ3|通い始めの負担を下げる形にする
最後に、始め方を決めます。初回からフルタイムにしないという選択が取れるなら、取ったほうが安全です。
短時間で数回通って、慣れてから時間を延ばす。この形が使えるかどうかは、質問2で確認済みのはずです。
なお、この決め方をケアプランに落とし込む流れそのものが分からない場合は、ケアプラン作成の流れを先に読んだほうが早いかもしれません。
判断の順番
①可否(対応できるか)→ ②相性(本人に合うか)→ ③始め方(負担を下げられるか)
この順番を逆にすると、「雰囲気が良かったから」で決めて、後から条件が合わないと分かることになります。
条件を全部聞けば、合うデイサービスが選べる?
最後に、正直なことを書きます。
これだけ聞いたとしても、合う・合わないはまた別のところにあったりします。
その日対応してくれたスタッフの感じ。同じ席になった利用者さんと会話が弾んだかどうか。こういうものは、事前の質問では出てきません。パンフレットにも書いていない。ケアマネが4ルートで情報を集めても、そこまでは分かりません。
そして、条件が合っていたのに合わずに辞めてしまうケースは、珍しくありません。
だから体験利用がある
これは選び方が間違っているという話ではありません。条件で潰せるところは全部潰す。そのうえで残る部分は、行って確かめる。この2段構えが現実的な選び方です。
- 質問リストで潰すもの → 規模、時間と送迎、入浴、食事(=この記事の4つ)
- 行かないと分からないもの → 職員との相性、他の利用者との相性、その場の空気
だから体験利用があります。事前の質問は「体験する候補を絞るため」にやっていると考えると、腑に落ちるはずです。4つ聞いて2か所に絞り、2か所を体験する。この順番なら、体験の回数も家族の労力も最小になります。
その体験の日程を、仕事の合間にどう組むか。ここで詰まる方が多いので、休みの取り方と職場への伝え方は働きながら親の介護が始まったら|最初の30日にやることリストに分けて書いています。
体験利用は、多くの場合ケアプランに位置づける前の段階の動きです。正式にサービスを使い始める手続きとは別なので、身構えなくて大丈夫です。ただしこの扱いは市区町村や事業所によって違い、介護保険を使う形で1日試す運用をしている地域もあります。
費用も事業所によって違います。昼食代だけ必要なところ、完全に無料のところ、昼食やおやつなどを実費でいただくところがあります。申し込む前に、ケアマネジャーへ「体験できるか」「費用がかかるか」の2点を聞いてください。
なお事業所は、体験のために送迎の枠・職員の配置・食事の手配を用意しています。都合が悪くなったときは、早めに連絡を入れてください。
ひとつ実情をお伝えすると、見学だけをされる方は、実際には少ないです。体験利用があるので、そちらから入るご家族のほうが多い印象です。
もちろん見学を希望されれば案内します。その場合は、ご本人も一緒に行くことをお勧めしています。建物を家族だけで見ても、通うのはご本人だからです。
合わなかったら変えていい
もう1つ、伝えておきたいことがあります。通い始めてから合わないと分かった場合、事業所は変えられます。
「せっかく決めてもらったのに」と我慢して、行きたくない場所に通い続けるほうが損失は大きい。通わなくなれば、そもそも利用料が無駄になるだけでなく、外に出る機会そのものが失われます。
ただし、明日から別の事業所に、というわけにはいきません。事業所を変えるときはケアプランを作り直すことになり、原則としてサービス担当者会議を開いて、新しい事業所の空き状況や送迎範囲も確認します。数日から数週間はかかると思っておいてください。
だからこそ、限界まで我慢してから言うのではなく、「合わないかもしれない」の段階で早めにケアマネに伝えるほうが、結果的に早く動けます。
なお「そもそもデイサービスではなく、自宅に来てもらう形のほうが合っているのでは」と感じた場合は、訪問介護とデイサービスの違いと使い分けを読んでみてください。この記事は「デイの中でどう選ぶか」の話なので、その前段は別記事にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 見学は何か所くらい回ればいいですか?
2か所あれば比べられます。1か所だけだと基準ができないので、その事業所の答えが良いのか悪いのか判断できません。逆に5か所回ると情報が混ざって決められなくなります。4つの質問で候補を2か所に絞り、その2か所を見るのが現実的です。
なお実際には、見学を回るより体験利用から入るご家族のほうが多いです。ケアマネジャーが候補を2〜3か所に絞って提案しているのも、たくさん並べると本人も家族も混乱して決められなくなるからです。
Q2. ケアマネが出してくれた候補以外を選んでもいいですか?
かまいません。候補は「今回の状況から選んだもの」であって、地域の全部ではありません。「他の候補も教えてください」と伝えれば、追加の情報は出てきます。気になる事業所の名前を自分で挙げてもかまいません。
Q3. 要支援1・2でもデイサービスは使えますか?
通所介護(デイサービス)は、要支援1・2の人は利用できません。しかし、この場合は市区町村が行う介護予防・日常生活支援総合事業の通所型サービスが該当します。結局のところ同じ施設に通えたとしても、介護保険ではなく、市の事業としてデイサービスを使うといったイメージです。名前が似ていて中身も似ているので混同されやすいところです。どちらに当てはまるかはケアマネか地域包括支援センターに確認してください。
Q4. 費用は事業所によって違うのですか?
違います。通所介護の費用は事業所の規模区分・所要時間・要介護度の3つで決まります。なお規模が大きい事業所ほど、1回あたりの単位数はやや低く設定されています(通常規模型 → 大規模型Ⅰ → 大規模型Ⅱ の順に下がる)。「大きいところは高い」ではありません。同じ要介護度でも、通う事業所と時間が変われば負担額は変わる。さらに食費やおむつ代などの日常生活費は介護保険の対象外で、別途負担です。自己負担の割合は所得によって1割・2割・3割のいずれかになります。
Q5. 入浴だけ目的で使うことはできますか?
入浴を主な目的にした利用は現実にありますが、デイサービスは食事や機能訓練を含めて時間内に提供される仕組みです。「入浴だけ」という形で切り出せるかは事業所の運用によって違います。入浴が最優先なら、質問3の3点(時間帯・浴室のタイプ・歩けない人の対応)をとくに念入りに聞いてください。自宅で入る形が合う場合は、訪問入浴という別のサービスもあります。
まとめ|聞くのは4つ、確かめるのは1回
- デイサービスに違いはある。分からないのは家族の勉強不足ではなく、情報を取りにいく機会の差
- ケアマネが決まって聞いているのは規模/時間の融通と送迎/入浴/食事の4つ
- この4つは家族が見学や電話でそのまま聞ける。専門知識はいらない
- 判断の順番は①可否 → ②相性 → ③始め方。逆にすると後から条件が合わないと分かる
- 条件で潰せるのはここまで。当日のスタッフの感じや、同じ席になった人との会話が弾むかは行かないと分からない
- だから体験利用がある。4つ聞いて2か所に絞り、その2か所を体験する
「近いから」で選ぶと、合わずに辞めることがあります。聞くのは4つだけです。メモに写して見学に持っていってください。
分からないことは担当ケアマネに聞いてください。情報はケアマネの側にあります。遠慮せずに引き出すのが、いちばん早い方法です。
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参考・出典(すべて厚生労働省)
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの? – 通所介護(デイサービス)」
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの? – 地域密着型通所介護」
- 厚生労働省「介護報酬の算定構造」(社会保障審議会介護給付費分科会 第239回 参考資料2-1・令和6年4月)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001195509.pdf
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」
※本記事の制度に関する記述は令和6年4月時点の内容にもとづいています。加算や費用の扱いは改定や自治体の運用によって変わることがあるため、実際の利用にあたっては担当ケアマネジャーまたは市区町村の窓口で確認してください。
▶ あわせて読みたい: 働きながら親の介護が始まったら|最初の30日にやることリスト
この記事を書いた人
むむぶどう🍇
社会福祉士・ケアマネジャー。社会福祉士として福祉の現場に20年、介護施設・在宅サービスでご本人とご家族の支援に関わってきました。福祉の制度を「使える形」にして届けたい、と思って発信しています。
▶ note(現場のリアル・体験談):https://note.com/mumubudou
▶ X(毎朝のつぶやき・現場の小ネタ):https://x.com/mumubudo
ブログでは「制度の使い方」を、noteでは「現場のリアル」を、Xでは「今日の気づき」を発信しています。


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